第12回 小石杯

問題が多々あっただけでなく、準備中に度々怒鳴ったり観戦マナーについて強い物言いをしたり、ご不快おかけして大変すみませんでした。それでもおかげさまで大きなケガもなく何とか終えて、とても安堵しております。選手、観戦者、スタッフ、審判の先生方へ心から感謝申し上げます

 

アンケートにもご協力いただき、大変ありがとうございました。回答は17件だけでしたが期待していた忌憚のないご意見が多岐にわたってあり、興味深く拝見しました。違う立場でのご意見をいただけて本当に良かったです

 

「緊張感があり大変良かった。とても良い経験になった」

「はじめてで親子で緊張したが、一生懸命頑張っている姿に感動した」

「勝ち負けではない、別の意義を心から感じることのできた大会だった」

「子ども自身は目標達成できなかったようだが、親としては成長を感じた」

「実際に蹴って大勢の前で戦うこと、ふだん体験できない緊張だった。試合後に確実に成長していた」

 

といった好意的な感想を多くいただきました。今回はいつも以上に準備に苦労したので、報われた思いです。緊張するのは本気だから。実際にやったことは、見ただけ聞いただけとは大違いです。大会後に稽古への姿勢が変わった子もいました。大会の主旨を良くご理解いただき、大変ありがとうございます。小石杯や六石門をより知っていただけるよう、以下ご意見へ回答させていただきます

 

 

 

試合レベル

「毎年、レベルが上がっているように感じる。どの試合も見応えがあって素晴らしかった」

「今まで以上に積極性が感じられた試合が多かった」

「入賞した選手はフットワークや間合いが良かった。見応えある試合がたくさんあった」

「黄帯の試合は、手に汗握るものばかりだった」といった、試合への称賛を複数いただきました。ありがとうございます

 

レベルアップしたのは、長く続けていただき黄帯の上級者が増えたおかげです。今後も長く続けてもらえるような稽古をしていきます 

 

 

観戦マナー

「前回よりもはるかにマナーがよく、観戦しやすかった」

「事前に観戦の注意点のメールがあり、マナーが良かった」

「観戦マナーが良く、落ち着いて観戦できた。ただ先生に注意されないと守れないのは情けない」との、ご意見をいただきました

 

マナーの悪さで不快な思いをしていないか、心配だったので一安心しました。しかしあらためて前回まで不快な思いをされていた方が多くいたことを痛感しました。今までホームページ、メール、入口にホワイトボード、アナウンス、で再三お願いしても十分に響きませんでした。今回はかなり強い物言いでお願いしましたが、気を悪くした方もいたと思います。マナーは個人の問題で本当に難しいです。マナーが悪いのは、知らない、傲慢、怠惰から当事者意識の希薄が原因と思います。強い物言いをしなくてもいいやり方を再考します

 

また今回はお手伝いいただいた保護者用の観戦席に、勝手に居座る方がいなくて助かりました。ご理解いただき、ありがとうございました

 

 

国歌演奏

「試合前に行った君が代には賛否両論があるはず。このような場に必要なのか気になる」と、ご意見をいただきました。お考え、分からなくもないです

 

第5~7回大会まで国歌の独唱などをしていました。しかし第8回からは歌唱者が見つからずに行いませんでした。すると偶然かもしれませんが、観戦者のマナーの悪さが増えました。そこで国歌演奏で一度背筋を伸ばす時間があれば、緊張感からマナーも良くなるかもしれないと考えました。使えるものは何でも使えで、”君が代”としてではなく”国歌”として利用しました。しかし不快に感じる方もいるかもしれません。なくてもマナーを守っていただけるなら止めます

 

 

国旗

「国歌演奏があったが、正面に国旗を掲げると子どもたちにも正面が明確になって良い」と、ご意見をいただきました。またっくない着想でアンケートを行って良かったです

 

ただ、スムーズな進行やスタッフの負担軽減のため、何ごとも必要最小限で運営しています。せっかくのご提案ですが、掲げる手間を考えると正面を明確にする必要性をあまり感じません

また正面はには空手の神様がいると、子どもたちに常々伝えています。試合や稽古で正面に一礼するのは、自分がおよばない大いなる何かを意識することで傲慢にならないためです。それは空手の神様ではなくてもかまいませんが、国旗よりもはるかに大きな存在と考えます。このようにそぐわないため、大変すみませんがご容赦ください

 

 

待機場所

「選手と一緒に来館した保護者は体育館職員の誘導でアリーナへ案内されたが、選手が入室後に来館した保護者は"体育室前"にいた。事前に待機場所を指定してもらえると、みんなが納得できる」とのご意見がありました。ご不満ごもっともです。ご不快な思いをおかけして本当にすみませんでした

 

ご意見中の"体育室前"と"武道場前”のことでしょうか?事前に案内ができなかったのは以下の理由からです

 

前回の混雑を踏まえて今回も100名以上の来館が予想されると、3ヶ月前に荻窪体育館 施設長に相談しました。2週間後に回答するとのことでしたがありませんでした。催促するとさらに1週間後に「当日はインディアカの大会や障害者の利用があり、待機場所はない。1Fと地下を結ぶ階段で1列に整列して待機しろ。また来館者が多いので近隣者は自転車で来ないように案内して、駐輪場の整理に人を出せ」とのことでした。「100名以上が階段に1列で並べるはずがない。幼児や高齢者もいるので階段では危険で、将棋倒しの恐れもある」と強く再考を求めましたが、その後も回答は変わりませんでした。このためやむなく、待機場所は当日に状況を確認して判断することとしました

 

当日に確認すると2F廊下には余裕があったので、「選手だけも2F廊下で待機させてほしい」と集合時間の2時間前の10時半に体育館に相談しました。しかし「検討する」と言ったっきり1時間たっても一向に返事がなく、催促すると「まだ検討していない。これからする」との返事でした。その後、了承を得たのは集合時間20分前の12時10分過ぎでした

 

また3ヶ月前に申請した備品は数が違っていて、当日に突然今までとは違う指示もされて施設長を怒鳴ってしまいました。このため体育館職員が勝手に保護者を誘導していたことは目の端に映っていましたが準備で余裕がなく、つっこむとまた怒鳴ってしまいそうで、保護者は大人なので許容も対処もできるだろうと、大変すみませんがあえて触れませんでした

 

混雑で他の利用者に迷惑をかけるのも、観戦者に不快な思いをかけるのも不本意です。改善に努めます。本当にすみませんでした

 

 

集合時間

「13時入室なら、選手の集合時間は12時50分で良いのでは。引率する親が雨の日には待つ場所もあまりないから」とのご意見をいただきました。ご不便おかけしてすみませんでした

 

しかし参加者が減ったこともあり、雨で待つ場所がなかったとは思い当たりません。無記名のアンケートのところ大変すみませんが、今後のために具体的な状況を再度教えていたいただけないでしょうか?

 

集合時間は、以下の理由から決めています

 

①大会では開会式の1時間以上前に集合が一般的です。会場入りすることで選手は試合に向けて気持ちが高まります。今回も早く会場入りした子の多くは、集中ができていて好試合をしていました

 

②以前のスタッフで集合時間ギリギリに来て、開口一番「お昼を食べに出たい」と言われて激高したことがあります。しかし、準備をして集合か、集合してから準備か、人によってバラバラのようです。第10回頃から集合時間後に着替える子が大半になりました。更衣室が狭いため男の子は幼児室で着替えています。それでも12時50分集合にして13時までに男の子全員が着替えられるほどの広さは、まったくありません。このためばらけられる時間の幅が必要でした

 

③毎回必ず遅刻する子がいるため、そのことを見越しました

 

主役の選手で判断すると妥当な集合時間だったと考えます。しかし待機場所のことも含め、時差をつくれば解決できるかもしれないので見直します。結果は次回の案内でお知らせします

 

 

観戦席

「できたら試合をする子の保護者は、交代で最前列で見られるようにしてほしい」とのご意見がありました。こちらも、ごもっともなご意見と思います

 

以前に検討しましたが、試合毎に保護者が交代しては混乱しそうで行っておりませんでした。しかし選手の保護者が試合毎に防具を着け外し、そのままそばで観るという方法で可能かもしれません。メリットはご要望にお応えでき、スタッフの軽減が格段にできることです。デメリットは、必ず保護者1名の同伴が必要で、その保護者が防具の付け方をしっかり覚える必要があることです。混乱は間違えなくあると思いますが、保護者の方も当事者意識が持ててマナーもさらに良くなることが期待できるので見直してみます。結果は次回の案内でお知らせします

  

  

イス

「高齢の観戦者のためにイスを用意したら」と、審判の先生からご意見がありました

 

第3回で高齢者向けのイスを用意したことがありました。しかしすべてのイスに若いお父さん方が座ってしまいました。このためその後は、必要と申し出があればスタッフががその度に用意していました。しかし今度は準備に遅れがでてしまいました。このため必要な方は体育館から直接借りていただくようお願いしております

 

 

対戦表の太字

「対戦表に太字で書かれた名前の説明があると良かった」とのご意見がありました。気が利かずにすみませんでした

 

組合せの都合で後半戦でのみ2試合する選手がいました。その選手をスタッフが把握するために書体を変えただけで、他意はまったくありません

 

 

対戦相手

「男子は男子、女子は女子で対戦できたほうが良いのでは」と、ご意見をいただきました。ご指摘のとおり、気にはなるかと思います

 

大事にいたりませんでしたが、過去に体重差が大きい対戦で事故がありました。このため組合せは体重差が少ないことを最優先し、次に技量差を考慮しています。その上でなるべく同性同士で組合せしていますが、もともと女の子の道場生が少ないため今回もやむをえず異性での組合せがありました。今後も異性での対戦はなるべく避けるようにします 

 

 

ルール説明

「ルール説明は見本があり分かりやすかったが、少し長くなかなか記憶ができなかった」とのご意見がありました。積極的にご観戦いただき、ありがとうございます

 

ルールはこちらにも載っています。どうぞ、ご覧ください

  

 

中段

「中段(腹部)や下段(足部)へ蹴りがきれいに入っても技有りではないのは何とも言えない。これでは上段(頭部)だけ練習してれば勝てそうな感じ。採点方法が変わればと願う」

「中段がなかなか技有りにならず、容易に技有りになる上段が多く見られた。私は剣道経験者だが、空手では中段は心技体が一致しないと有効にならないのか?ダメージの定義もわからない」とのご意見をいただきました。積極的に観戦いただき嬉しいです。みなさんがどのような思いで観戦されているのか知ることができて良かったです

 

 

相撲で横綱の張り手は好ましくないように、格闘技は様式美を求めるところがあります。剣道でも「面で1本とるのが理想」と著名な高段者が語る記事を目にしたことがあります。同じ廻し蹴りでも上段はより大きな軌道で足を高く上げるため、中段や下段より難しい蹴りです。子どもクラスでは廻し蹴りは上段だけで、中段や下段は指導も稽古もしていません。理由の一つは柔軟性がある子どものうちにキチンと身につけてほしいからです。このため、上段を蹴らなけらば勝ちにくいルールにしています

 

剣道でも1本になるかならないかは、素人目には難しいと思います。ダメージがあるかなないかも、格闘技の経験があるか、見慣れていないと難しいようです。特に小石杯は胴プロテクターをつけているので、中段のダメージの見極めはとても難しいです。ダメージの見極めは暗黙知のため、格闘技をたくさん観て見巧者になるか、何度も蹴られると分かります

 

 

ヘッドギア

「女の子でヘッドギアのバーが視線と重なって、見えづらそうだった」とのご意見がありました。ご心配いただき、本当にありがとうございます

 

参加した女の子全員に確認しましたが、該当者はいませんでした。またほとんどの試合を本部席で選手とほぼ同じ目の高さで観ていましたが思いあたりません。しかしこちらでは気付かないこともあるので、ご指摘いただき本当に良かったです。今後もよりいっそう気にかけます

 

また男の子でヘッドギアのずれが気になる試合がありましたが、サッカーでもアドバンテージがあるように、中断で試合の流れが変わらないように残り時間を確認した上で様子をみていました

 

 

表彰

「再受賞となった選手へ『前にも受賞しているから、本当はあげたくなかった』と先生が言っていたが、なるべく多くの選手を表彰したいとしたら賞を増設しては」との、ご意見がございました。またまた私の口の悪さで、ご心配おかけしてしまい本当にすみません

 

まさしくこの理由で第10回大会から横木賞を増設しました。横木先生に一任して選考理由は技量に限らず、試合は負けたが気持ちが負けていなかったという精神面で受賞した選手もいます。もしも参加者数が増えればまた増設しますが、そうでなければご容赦いただけると助かります

 

 

中学生

「精神面を鍛えるために、中学生以上も試合でなくても成果を披露できる機会があると良い」とのご意見がありました。ご要望にお応えできずに大変すみません

 

第10回 小石杯のアンケートへの回答にあるように中学生以上の試合は行っておりません。小石杯だけで精一杯で、大変すみませんが余力もまったくありません。しかし本人が希望するなら、稽古納めでの披露をできるかぎり行いますので申出ください。またもし何か他にいい方法がありました、ぜひ教えてください

 

披露ではありませんが、毎年夏に休憩なしで1時間弱連続の組手を行って体力以上に精神面を鍛えています。対象は小学6年生以上か青帯以上で、今年は8月2日に行います。対象者は、ぜひ参加ください

 

 

スタッフの見分け

「スタッフを見分けられるように、腕章や揃いのTシャツがあると良い」とのご意見がありました。ご指摘ごもっともと思います。これも以前に検討したことがありますが、以下の理由で行っておりません

 

Tシャツは、

①スタッフ12名以上分を購入する予算がありません。またスタッフは毎年代わるため、毎回用意する必要も生じます

 

②当日会場で着替えるとすると、スタッフの集合時間を早める必要があり負担が増えます。また直前や当日になってから来れないスタッフが毎年いるため、事前に渡すことも難しいです

 

腕章は、安全ピンを袖に留めることに抵抗があるスタッフもいるかもしれないので、気が引けます

 

しかし再考してみると、ネームタグなら解決できそうです。ただ選手は、選手係から声をかけているので見分ける必要はありません。ケガもスタッフから選手に試合毎に確認しています。また観戦者がスタッフに声をかける必要性もあまり思いつきません。あると良いと思いますが、スムーズな進行やスタッフの負担軽減のため、何ごとも必要最小限で運営しています。無記名のアンケートのところ大変すみませんが、必要な具体例を再度教えていただけないでしょうか?必要があればネームタグで見直します。結果は次回のスタッフの姿でお知らせします

 

 

運営

「スムーズな運営でとても素晴らしかった」

「今回もピリッとした大会でよかった」

「貴重な経験の場を作ってくださった運営の皆様、本当にありがとうございました」といった、スタッフや運営への好評価を今回も複数いただきました。ありがとうございます

 

今回も特にスタッフの佐久間に助けてもらいました。佐久間は小石杯が開催できなかったころに小学生で、再開できた第5回大会では中学生になっていました。その1度も参加できなかった小石杯のスタッフを、第5回から8年間ずっと嫌がらずに引き受けてくれました。おかげで運営をよく把握してくれて、今回はスタッフの取りまとめを任せられるほどでした。その佐久間も来春には就職で地方へ行くことになり、もう頼めなくなります

 

「選手で参加しているときには、こんなにスタッフが大変だったとは気づかなかった」と中学生のスタッフからの感想がありました。自分のことばかりでなく、立場が違う人の思いにも気づける大人になってほしいと、スタッフは中高校生を中心に頼んでいます。しかし直前に断られることが多く、集めるだけで毎回一苦労です。今回は集合時間の直前に雨で部活がなくなった中学生を1人見つけて呼び出し、やっとどうにかギリギリ回しました

 

「年1回の貴重なこの機会は、これからもぜひ続けてほしい」といった、継続を望むご意見を今回もいただきました。しかし今まで95%くらいだった参加率が今回は74%と激減し、試合数も減りました。様子からすると今後も同様か、それ以下の参加率や試合数になりそうな気配です

 

他にも不安が多々あり、今までのような運営では今後は無理そうです。次回からは保護者の方全員にお手伝いいただくなど、大きく変更することを考えています。佐久間に相談したところ、「月謝が安いから、それくらいいんじゃないすかぁ~」と心強い返答でした。対象者も第1~4回のように小学3~6年生のオレンジ帯以上に戻す予定です。また1年かけて準備しますので、どうぞよろしくお願いします

 

 

 

新潟県の山古志にも牛の角突きがあります。ここでは闘牛用の牛ではなく農耕のために飼っている牛で行うので、傷つかないように早めに止めて引き分けにしています。それでも1トンを超える牛がぶつかり合い、角や頭がぶっかるゴツっゴツっという少し甲高い音も聞こえて大迫力です

 

勝ち負けだけにこだわっていたら、空手も人間も小さくなってしまって本人が苦しくなります。大会後に感想を尋ねると、「言っちゃ悪いが、負けた相手より引き分けた相手のほうが強かった」と言った子がいました。本人が感じたように試合内容は、負けた試合はむしろ押していて、引き分けた試合は五分五分でした。よく分かってるなぁ、と驚きました。こういう経験があると結果だけでは判断しない大人になれて、楽しい人生が送れそうです。続けるなら、こういうことに気づいてもらえる大会でいたいです