正しい手洗いへ
子どもたちの傾向
上の図にある厚労省の正しい手の洗い方で、稽古の前後に十分に手洗いをすることだけが稽古を再開できる拠り所でした。道場生への手洗いの指導は保護者にお願いして、稽古前に十分にできるかチェックしました
コロナウィルスが猛威を振るい、多くの有名人がハッピーバースデーを歌いながら手を洗う動画をネットに上げてTV報道もくり返されていたので期待していましたが、再開後1週目に十分できた子は1人だけでした。多くの子は、星一徹ならちゃぶ台をひっくり返すほどひどい出来で、できずに参加させなかった子もいました。またおしなべて小学生より中学生、中学生より高校生が不出来で驚きました
再開2週目には家で練習してくれたようで十分にできる子が増え、十分でない子のほとんども1つ抜けていただけで、最年少は5歳からみんな上達しました
2週に亘りチェックしてみると、不十分な子たちには次の3つの傾向が見られます
① 手の甲を洗うときに指の間を閉じているため、上の図❷のように指の間が一緒の洗えていない
② 指の捻じり洗いは上の図❺では親だけですが、稽古中に人差し指などで鼻くそをほじくるなどの子が多くいます。このため当道場では②の指の捻じり洗いは親指だけでなく他の指も必要とします
③ 上の図の順番とおりにやらないと、どこかを抜かしてしまう。特に❷❸❺❻は、各項目で両手を
やってから次に進まず、片手だけ一通りやってからもう片手というやり方の子は必ず抜けていました
30秒間手洗いをするためにハッピーバースデーを2回歌いながら手洗いをさせましたが、誰に向けてのハッピーバースデーか気にする子が多いため、その日の誕生日の有名人を調べて指示するように改善しました
また十分な手洗いができることを新選組の局注法度なみに厳しく求めたため、この条件を満たして稽古に参加した子はみんな以前と比べて格段に集中力が高まりました
一生使える手洗いに
近い将来、また新しいウィルスが現れるのではないかと予想している専門家もいます。SARS、MERS、コロナウィルスの周期を見るとそんなに遠くはなさそうです
コロナウィルスの猛威に「初めての経験で…」と免罪符のように簡単に口にする大人をたくさん見ました。これからもしばらくはまだまだ見るでしょう
コロナウィルスは確かに新型ですが感染症であることに変わりはありません。妄信はできませんが、「感染予防には全般的に石鹸と流水での手洗いが最重要」と荻窪保健センターなどで確認しましたし、多くの専門家も口にしています
だとすると、いま十分な手洗いを身につけたら新しいウィルスがまた何度現れようとも一生予防できる可能性が高いと考えました。空手は護身です。その延長線上ではなく根幹に、心得として十分な手洗いを一生忘れないように身体で覚えてほしいと考えました